「こめかみ」を漢字で書け

ちょいと小難しげな内容の書物を読んでいるとしばしば読めない漢字に出くわしたりもするが、まァ大抵は漢字の構造などから予測可能だったり、あるいは親切にふりがながふってある場合も多いので然程苦労はしないものである。が、今日は違った。そもそも心構えからして違ったのだ。その時私は薄っぺらィ文庫本片手に鶏と牛蒡のリングイーネを喰らっていたのだった(この姿をトシコに見られたら間違いなく行儀が悪いと叱責されるだろうよ)。すなわち食事と読書、この場合は7対3で食事の方に主眼を置いていたため書物に対しての真剣みが足りなかったことは否めない。だがしかし、よもやこのようなライトなノベルを読んでいる最中にこうした事態が起ころうとは!まさに霹靂オブ青天、油断イズビッグエネミーだと。
これまで各種メディアからの情報でもってなんとなくイヤな印象しか抱いていなかった村上龍氏(顔と喋り方も気に入らない)。高校生の時「コインロッカーベイビーズ」を読もうとしたが、当時はどうも肌に合わなかったらしく上巻の途中で止してしまった。しかし何事も食わず嫌いはァいけねぇってんで、先日思い切って「限りなく透明に近いブルー」を購入、でもって昨日枕もとに積まれた本の間からそれを発掘して読み始めたのである。で、快調に読み進めていたところが問題の難読漢字にエンカウントしたと。「こめかみ」、漢字で書くと「顳・需頁(←本当は一文字なんだが、表示できないのでこれで。2ちゃんねるっぽくてイヤですが。)」どの辺がこめ?かみ部分はどこ?私は誰?っていやいやアナタ。よく見れば見るほど目ぇがチカチカしてくるしね。しかもまだ序盤だというのにいやに頻出じゃァありませんかこの単語。文脈から何となくアレじゃねぇかなとは察しがつくけれども、こうした近眼・老眼いずれにも判読困難な漢字を使うのは差し控えていただきたい。断固!
ハイ、ちなみに内容についてはなんとも判断しかねる段階でして、といいますのもまだ半分も読み終えてませんのでね。しかし氏に対する印象は変わりました。あくまでイメージですが、もっと嫌ァな感じに濃ゆい文章を書くのかと思っていたら非常にクリアでなんとなくピアノの旋律っぽいなァと感じました。こめかみ事件がなければよりスムーズに読み進められていたものを。マ、帰って続き読も。