秋の夜のゆっくりとした時間の流れ

ぼんやり耳を澄ませると、緩い雨音ところころ響く虫の音。少し開かれた窓から流れ込む細い冷気を裸足の踵に感じる。オレンジの灯、読みかけの小説とぬるくなったビール、男の置いていった煙草に手を伸ばしかけて、隣りにあった携帯電話を手にする。
ソファに胡座をかきつつやっぱり自分の中身は空っぽやなぁと感じる。ハートの不在。どうしたものかしらねぇ。今夜は特別時間の過ぎるのが遅いようです。