悲しみよ、こんにちわ

というわけで、鼻歌交じりにルックおふろの洗剤を吹きかけていると、ふと目の端に何かしら黒っぽいものが映ったような気がした。おや、なんであろう、今一度確かめてみんとて、そちらに目をやると、ハイ、こんにちわ。どんなに上手に隠れてもかわいいお尻が見えてるよ、貴方。
以前高井戸に住んでいた時はしばしば目撃していたのだが、ここに越して来てから彼を部屋で見たのは初めてである。うむ。久しぶりに見るとやはり気色悪い。全体的にぬらぬらしておる。触覚がさわさわ蠢いておる。間違いない、彼である。ここはひとつ確実に息の根を止めておかねばならぬ、殺生もやむを得ぬ、えいやとばかりにルックおふろの洗剤を浴びせ掛け、ぬらぬらと逃げ惑う傍からさらなる洗剤攻撃をしかけた。彼は洗剤に肢をとられ仰向けに転倒、六本の肢をぬらぬら激しくばたつかせていたが、やがて動かなくなった。その様子を逐一見ていた私はすっかりテンションが下がってしまい、彼をティッシュで包んでビニール袋に入れごみ箱に放り込んだ後、昔見た悪夢*1を思い出して一層沈んだ気分になってしまったのだった。

*1:高井戸暮らしの時に見た夢。寝ている私の口腔内にゴキが侵入してくるという恐怖ナイトメア。