今更ですが

kakiko2004-09-11

先日nicoちゃんが古本屋で発見したという、その昔有害図書指定騒動などで話題となった鶴見済著「完全自殺マニュアル」を借りて読んでいる。「人格改造マニュアル」は読んだことがあったのだが、こちらはまだ読んでいなかったので是非ということで貸してもらったのだ。最近では本屋で置いているところも少なく入手しにくいなどど囁かれているようだが、今でもイーエスブックとかで普通に売られているので難なく購入可能である。さすがに騒動を起こしただけあってなかなか過激といえば過激な内容、のっけから「そう、もう死んじゃってもいい」やら「もうただ生きていることに大した意味なんてない」やら「自殺はとてもポジティブな行為だ」やら、一見すると確かに有害なメッセージで溢れている。ただひたすら自殺の方法について詳細かつ具体的に述べており、また実際あった事例やデータなんかも載せていてその名の通りの自殺のマニュアル本になっている。自殺の方法別に苦痛・手間・見苦しさ・インパクト・致死度の項目で評価、またケースごとに注意すべき点なんかも言及されており非常に明快、便利である。しかしながらこの本の著者は64年生まれ、この本が刊行されたのは93年、80年代の世界の終わりブームやハルマゲドンブーム後の挫折感・絶望感なんかを味わった若者達には相当なインパクトであったろうが、もはや我々の世代になるとイマイチ共感できない部分もありますね。というか生きることが同じことの繰り返しであり、大した意味がないなんてことは既に今の若者は暗に了解してるというか。ああ、そうだよ、で?みたいな。この本がベストセラーになり多くの人々が感化され自殺したのもそういう時代背景があったからなんでしょうね。ま、興味深い記述も多いけど。参考↓
http://hp1.cyberstation.ne.jp/straycat/watarumovement/talks/index.htm