東京はおっかねぇところだべさ

kakiko2005-08-18

家庭教師先の高2男子はかなりイケてる男なのだが、昨日も大いにやってくれた。部屋に入るなり「パチ沼(俄然呼び捨て)、まぁちょっと聞いてくれよ。」と申すので何じゃと聞いてやると、「まぁアレを見てくれ。」と指差すので見遣ったところが非常に趣味の悪いタンクトップがハンガーにかけられておる。「うワぁ、ダサーッ!何なん、アンタ買ったのこれ?」と聞いたところ、彼の口から聞くも悲しい物語が語られたのだった・・・。
彼は普段野球ばかりして一切オシャレなどしない男なのだが、その日に限って突然服が欲しくなり、なんとか言いくるめて親に小遣いを貰いいざアメ横へと繰り出したのだった。何軒か店を見て歩いたがなかなかグッとくる服がなく、どうしたものかとある店からふらっと出てきたその時である。「ヨウ!ヒサシブリー!」
振り返ると自分よりも縦横2倍くらいある(といってもヤツも180cm以上あるのだが)黒人の姿。
「っておまえ誰だよっ?!」と心の中で激しく突っ込みつつも相手があまりにも馴れ馴れしいのでモゴモゴまごついていると、「キョウダイ、ヤスクテイイフクガイッパイアルミセシッテルカラツレテッテヤルヨ!」と半ば強引に連行され、断れぬまま二階にある妙に狭くて薄暗い店へとやってきたと。パチ沼、無論この時点で「ダメじゃん!弱すぎじゃん!あと兄弟って人種違うから!」と突っ込んでおきましたがね。で、彼は「うわぁ、胡散くせぇ〜!つーか服、ダサー!」とこれまた心で叫びつつも一応見る素振りをみせ、隙あらばとっとと出て行こうと思っていたのだがそこはプロです、そうは問屋(兄弟)が卸さないと。黒人はピッタリと彼の後ろをついてまわり、「コノフクトカイイヨ、ヤスイヨ」などと優しくアドヴァイス。チラ見したところ他に店員がいる様子がなく店には兄弟と二人きり。コレはマズイ・・・逃げられん・・・。ここは致し方あるまい、なんか適当なのを買って逃げるしかない。というわけで彼はまだマシと思われた白のピタッとしたオヤジの下着みたいなタンクトップを手に取ったのだった。「ア、ソレ?ソレ4000エンデイイヨ!」ハイ、ここでパチ沼の見解を述べますが、オヤジタンクトップ、絶対そんな価値ナシ!「エエーッ!?」彼もそれはないよと思い咄嗟に「あ、今2、3000円くらいしか持ってないんすけど・・・」「ジャ3000エンデイイヨ!」即答と。
ああ・・・と思いつつ3000円を財布から出すとさっさともぎ取られ「アト500エンネ!」エエー!!?三千円でいいんじゃなかったのー!?「あ、小銭400円しかないですけど・・・。」「400エンデイイヨ!」即答です。結局彼はその部屋着にするのも恥ずかしいタンクトップを3400円でお買い上げしたのでした・・・。
「まぁパチ沼も気をつけろよ。ところでコレ、3000円でどうよ?あんたならワンピースでいける!」いけないっつの!アホ。