黒談春

紀伊国屋ホールで行なわれた談春師匠の独演会に行ってきた。紀伊国屋ホールはなかなか趣のある造りだったが、座席が後方だったこともあり舞台が見づらく、もう少し傾斜をつけてくれたらと思わなくもなかった(前のおばはんの頭がデコラティブすぎだっただけかも。そんなに気合い入れなくても!)。今回は花見小僧、お血脈、二階ぞめきの三席。そのうちお血脈と二階ぞめきは初演だそうで、こら楽しみじゃと期待も膨らむ。
前半の談春師匠はいつもより若干飛ばし気味で、もしかしたら苦手な地噺を演るにあたり緊張してるのかしらんと思った。花見小僧からお血脈にいく間にコネを利用して東大寺の修二会を見に行った話をされていたが、一般人には窺い知れない様々な坊主裏話を聞けて非常に面白かった。特に走りの行法で坊さんが狂ったように走り回る描写に思わず吹き出してしまった(そもそも走れば100年分?の修行が短縮されるという発想が可笑しすぎる!)で、肝心のお血脈だが個人的にはやや難ありかと思われた。地噺が苦手なんじゃなくて単に似合わないのではないか。仲入り後からは普段通りの落ち着きが感じられ初演とは思えない好演ぶりだった。それにしても談春師匠は情景描写が本当に上手い。当時の艶やかな吉原の様子がありありと目の前に浮かぶようだった。ブラボー!
帰り際、やはり独演会にきていた柳美里を目撃。思っていたよりも顔と尻がデカかった。いろんな意味でインパクトのある女性だと思った。
ついでに紀伊国屋書店で本を購入。「99.9%は仮説」「イカの哲学」の2冊。まだまだ読み終えてない本があるのだが…。本屋ということで案の定うんこがしたくなったが我慢して帰路についた。そして事件は起こる…