志村けんが始めたんだと思っていた

昨日は念願の「北斎展」にむっちゃんと一緒に行ってきた。私は実験ノートの表紙が浮世絵(写楽のだけど)というミーハー浮世絵好きの一人なのだが、そんな私をはるかに凌ぐ浮世絵ラヴァーがむっちゃんその人なのである。彼は普段どちらかといえば大人しく、いつもニコニコして他人の話を聞いてくれる人なのだが、浮世絵のこととなると俄然話は別と。そのアツイ想いをもっと聞かせておくれ!というわけで11時に上野駅公園口に集合、いざ出陣。平日の午前中だからと思っていたら予想外の大混雑ぶりに驚いた。大半がシルバーであり日本社会の高齢化を改めて実感・・・。

今回の展覧会の全出品作数は約500点!
この規模で開催される「北斎展」は、前世紀初頭の1901年、ウィーンで開催された展覧会にまで遡ります。以後約100年の間、世界中の北斎研究家がたゆまぬ努力を続けてきた成果が一堂に見られるのはもちろん初のことです。さらに今回は過去最多の、日本国内から約60ヵ所、海外はヨーロッパから10ヵ所、アメリカからは9ヵ所の所蔵家、美術館からの出品が実現しました。
江戸時代後期に描かれ、江戸末期から世界中に散った北斎の画が、21世紀の東京で一堂に会するのです。
まさに本展覧会はじかに「北斎」を見ることができる100年に一度、一生に一度のチャンスなのです。

いやいやいや、100年に1度じゃァ行かねばなるまいよ!てなわけでかなりの期待をもって臨んだのだが、もう、ね。あなた。ため息が出るくらいステキでござんした。300点以上の作品を5時間もかけて鑑賞させていただきましたよ。私が一番心打たれたのはそれらの斬新な構図ですね。そして配色。そこんとこにその色使っちゃうんだ・・・みたいな。対象物を捉える感覚が鋭すぎる。例えば有名な「冨嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」なんか、波が砕けそうな一瞬を切り取ってきて画にしてるわけで、その「刹那」を形にする才能は天才的だと思う。痺れた。
にしても北斎が90歳まで生きたとは知らなかった。それどころかあの有名な「冨嶽三十六景」なんかも70歳を越えてからの作品だったとは!エナジー漲りすぎ!死ぬ間際の作品も観たが、すこしも衰えというものを感じなかった。なんか、もう凄いとしか言い様がない。しかし北斎、天才だけどもはやビョーキですね。画狂人北斎とはよく言ったものよ。にしてもこれからは高齢化を憂うのではなく、むしろ北斎ばりのエネルギッシュな老人を応援すればよいのだね。私も長生きしたくなりました。
ちなみに下の版画、ステキですよね。見つけたときには相当驚きましたよ。200年前にもこんなアホなことをやらかす輩がいたとは。ああもう、こういう日本人のアホなところが大好きで仕方がありません。絶やすまじアホ文化。