ポッカリ空いた日は

昨日、明日と実験やら実習デモやら家庭教師やらがありなにかと慌しいのだが、今日はそんな最中培養すらやらなくてもいい完全フリーな一日となった。素晴らしい。
というわけで午前中に部屋の掃除を済ませると、まずは近所のカフェに向かった。チキンとトマトのサンドイッチとアイスコーヒーを注文、窓に面した席に陣取った。ここでまず2時間ほど読書、「麦ふみクーツェ」読了。読んでいて幾度となく心を打たれる。我々が生まれてきたその瞬間から背負っている宿命、生きていくうちに体験する様々な苦悩、悲劇。それらは不可避だ。何かしら身体的・精神的な欠陥をもった登場人物たちがそれぞれの宿命を受け入れつつ、しかしそれを肯定するのでも否定するのでもなく、ちょうど麦をふむように淡々と、しっかりと、ゆっくりと、それぞれの道を歩んでいく姿が丁寧に描かれている。生きる、あるいは生きていることに「意味」を見出そうと日々あくせくしている私に、筆者は生きることに対する優しくも厳しい新たな視点を提示してくれた。
で、カフェを出て家に帰る途中本屋に入る。ここで念願の「古典落語CDの名盤」と「en-taxi vol.13」をゲト。ウキウキ。今晩寝床で読もうっと。
家に戻って論文の入ったファイルをカバンにつっこむと再び外へ。今度は大学の近くのモスバーガーでゼミの勉強開始。論文を読むのは気分が乗らないと苦痛なのだが、今日は妙にノリノリだったためスラスラと読み進められた。一気に2報読んでメモ帳にまとめる。キリがいいので勉強は終りにして再び読書。先日買ったばかりの「侏儒の言葉」をひらく。うわァ。1頁目からものすごいカッコEんですけど。この人の文章を読んでいると、その明晰さゆえ数学の問題を解いた時のような興奮と爽快感を覚える。久々に読んだけど一々シビれますわ。

道徳は便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。

とか

良心は厳粛なる趣味である。

とか、ね。興奮したあまりにゼミのレジュメも作り終えちゃったし。フォー!これほどたっぷりと読書の時間をもてる身分に感謝です。あとは家に帰ってビール飲んだら完璧です。シアワセ!