たぬき・百川・白井権八

kakiko2007-05-13

というわけで待ちに待った立川談春独演会@三鷹市芸術文化センターに行ってまいりました。昨年の今頃だったかまさに同じ会場で「談春志らく二人会」を鑑賞したことを思い出したのだが、談春さんご自身もマクラでもってそのことに触れて「ま、案の定その後空中分解して今年はまた一人で演ることになりました」と例の皮肉っぽい笑顔でおっしゃっていました。
で、今回のチケットはmixiのコミュニティ繋がりで譲っていただいたものなのだが、それがまた非常にラッキーなことにA列、すなわち最前列の席だったのです!!いやァ、星のホール自体が割と狭いのでその最前列ともなるとそらもうアナタ。談春さんがこんなに間近に!色々丸見え!Wa-o!!こんな機会は滅多にないので今日は特に談春さんの仕草や表情を重点的に見ることにした。
今日の演目は「たぬき」「百川」「白井権八」の三席。ちょうど六代目圓生の百川をCDで聴いたところだったので両者の聴き比べにもなり面白かった。談春さんのたぬきは愛嬌たっぷりで好感がもてる(そういやご本人もたぬき然とした顔立ち?)。百川は非常に素晴らしかった。私はこれまで落語に出てくる田舎者の訛りを聴くと決まって不愉快な心持ちになったものだが(自分が馬鹿にされた気分!)談春さんの百兵衛は厭味がなくむしろ愛着さえ持てた。談春さんご自身この噺が大好きとのことで、きっと登場人物がこれほど魅力的なのもこうした愛着があるからなのだろう。で、白井権八は今回初めて聴いた噺だったのだが、談春さん自身得意としている噺のようで何度も口演している模様。元は講談のネタだったそうで、超美男子侍の活躍を描いたお話。スピーディかつスタイリッシュ、そしてユーモラスな部分もありと、どことなく黒澤監督の「用心棒」を連想させる仕上がりだった。
いやはや、しかし何度聴いても落語はいいネェ。まだお聴きでない皆さんも是非一度お試しアーレ!